はじめに
本記事では、英語が苦手な高専生でもTOEIC700点をとるための勉強法、計画の立て方、参考書の選び方などを解説します。特に高校2年生レベル(英検準2級程度) の英語力がある人に向けて、400~500点台からのスコアアップに有効な方法をご紹介します。少し長くなってしまったので、時間のない高専生は最後の【まとめ】だけ読んでみてください。
筆者のステータス
筆者は2026年7月時点で専攻科1年です。TOEICスコアの推移は以下のとおりです。TOEIC以外では本科3年までに英検準2級を取得したのみで、塾や英会話教室には通っていませんでした。
本科3年1月:495点(IPテスト*)
本科4年9月:710点
本科4年11月:640点
専攻科1年5月:730点
*IPテスト(Institution Program):TOEICの団体受験制度。難易度は公開テストと変わらないが、公式認定証が発行されないため就職・進学試験時のスコア証明には使用できない。
このとおりに本科、専攻科それぞれでTOEIC700点以上を取得できたので、まぐれではなく実力で700点をとれたと思っています。そこで、本記事では「高専生でも」「効率よく」TOEICのスコアを伸ばす方法を解説します。【スコアアップの前に】【計画編】【勉強編】の3編に分けて解説します。
※「本科3年の時点でそれなりにスコア取れているじゃねえか」という感想を持たれた方もいるかと思いますが、これは英検準2級の受検を通して基礎的な英語力がわりと身についていたからだと思います。
スコアアップの前に
「TOEIC〇〇点取りたい!」という目標を掲げる前に、いったん現時点での自分の立ち位置、すなわちスコアを把握しましょう。特にTOEICを一度も受けたことのない人は、自身の英語力がどの程度スコアに反映されるのかを確かめてから、目標スコアの決定と計画に移るべきです。TOEIC公式HPには高専の学年ごとのTOEIC平均スコアが掲載されていますが、あくまでも平均であるため必ずしも自身のスコアと同じ傾向を示すとは限りません。

<画像出典・参考URL>TOEIC Program DAA2024(和文)2024年7月版
https://www.iibc-global.org/hubfs/library/default/toeic/official_data/pdf/DAA.pdf
YouTubeやネット上に投稿されている簡易的な模擬試験でもよいのですが、一番のおすすめは「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」です。TOEIC主催機関であるETSが制作・監修しているため、本番と同等の難易度で自分のレベルを確かめることができます。高専の図書館にも多く取り揃えられていると思うので、いったん借りて本番と同様の制限時間、問題数で解いてみてください。

<画像出典・参考URL>【特集】公式TOEIC Listening & Reading 問題集 12|公式教材・問題集|【公式】TOEIC Program|IIBC
https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep/lr_ud_12/pr.html
計画編
さっそくスコアアップのための計画を立てていきましょう。計画を立てるにあたって必要なのは次の情報です。
何点をとりたいのか?(最重要)
なぜそのスコアを取得したいのか?
いつまでにそのスコアを取得するのか?
はじめの「何点を取りたいのか」は言わずもがな、これを決めないと勉強する目的が分からなくなります。ここで目標スコアを決めることで現在のスコアから何点伸ばせばよいのかが明らかになり、勉強の方向性を定められます。「TOEICのスコアを上げたい」という定性的な目標では、どのような方法で何の勉強を進めていけばよいか決められません。
目標のスコアを決めたら「なぜそのスコアが必要なのか」を考えてみましょう。スコアが高ければ高いほど英語力を証明できるのは間違いありませんが、むやみにスコアを上げようとすれば時間ばかりを消費することになります。
TOEICのスコアは勉強したらすぐに伸びるものではなく、また受験料や教材費なども決して安くはないため、自身の目標に対して本当に必要なスコアを見極め効率よく勉強することが求められます。
※高専4年生のTOEICの平均点は386点です。したがって、本科卒で就職試験を受ける場合には500点もあれば十分に「英語力があること」を証明できるかと思います。一方で、大学編入試験においては600~800点が相場になってくるようです。(要求されるスコアは志望校に依りますが)自分にとって真に必要なスコアを見極めて、目標を高くしすぎないことがモチベーション維持のためにも重要です。
最後に、いつまでにそのスコアを取得するのかを決めます。就職・進学試験のためにTOEICを受験する場合は、公開テストの日程を考慮しつつ勉強計画を立てていく必要があります。公開テスト受験から公式認定証をダウンロード可能になるまでは3週間ほどかかるので、スコア提出締め切りの直前に公開テストを受験することは絶対にやめましょう。
また、都市部では毎月公開テストを受験することができますが、地方では2か月に1回の頻度でしか受験できません。万が一目標スコアがとれなかったら、ということも想定してスコア提出までに2回は公開テストを受けられるようなスケジュールを組むとよいです。
ここまで目標スコアとスケジュールを決められたら、すぐ受験を申し込みましょう!受験料を支払うことで、逃げられない状況に自らを追い込むことができます。また、参考書については後述しますが、これも申し込みと同時に購入することをおすすめします。TOEICに限った話ではありませんが、勉強しなければいけない状況に自らを追い込むことでイヤでもやる気を保てます。(笑)
<参考URL>【公式】年間テスト日程|TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/guide01/schedule.html
※ちなみに筆者は東北に住んでおり2か月に1回しか公開テストを受験できなかった側ですが、同級生の中には仙台まで公開テストを受験しに行く猛者もいました。お金に余裕があれば地方住みでも毎月受験できます。
勉強編
ここまで来たらあとは勉強を進めていくだけです。冒頭に示した通り、本記事では高校2年生レベル(英検準2級程度)の単語力があり、文法を理解できている前提で勉強法を解説します。本セクションは次の3テーマに分けて解説を進めていきます。
単語の部
文法の部
リスニングの部
1.単語の部
TOEICは単語力を鍛えるだけでも600点台までスコアアップを狙うことができます。TOEICのスコアが400点台から伸びない原因として、TOEICに特有なビジネス英語の単語やよく用いられる表現などが覚えられていないことが挙げられます。とにかく、TOEICで頻出である単語・熟語・表現をひたすら覚えていきましょう。
ところで、TOEICはマークシート方式の試験です。つまり、英単語をつづれなくてもその単語を見て日本語で理解できれば問題ありません。対して、リスニングセクションがあるので単語の「音」すなわち読み方・発音は覚える必要があります。このことから「英単語のスペル」「日本語の意味」「音声」を同時に覚えられる方法で単語練習をしていくのが最強だと考えます。
単語の効率的な覚え方についてはネット上に多くの解説が載っていると思うので、ここでなにか解説するのは避けます。筆者は単語帳を開いて地道に暗記していくのが苦痛でしかなかったので、スマホを使ってスキマ時間に単語を覚えるようにしていました。
筆者のイチオシは「モチタン」というアプリです。モチタンは無料で自分のレベルにあったTOEIC頻出単語を学習できるアプリです。今までに「mikan」や「abceed」など様々なアプリを試してみましたが、無料でTOEIC頻出単語を学習し続けられるのは「モチタン」のみでした。有名な単語帳「金(銀)のフレーズ」には対応していないですが、ひたすらビジネス英語の語彙を増やしていくのには不便のないアプリだったのでとてもおすすめです。

<画像出典・参考URL>モチタン | モチベーションを科学する英単語アプリ
https://motitown.com/
2.文法の部
筆者は、TOEICのために改めて勉強しなければならない文法は存在しないと思っています。TOEICのPart5およびPart6では短文・長文の穴埋め問題が出題されますが、単語力と高校生程度の文法の知識があれば高得点を狙うことができます。スコアが400~500点台で伸び悩んでいる人は、Part7(長文読解)の勉強をせずにTOEICに頻出の文法から復習していった方がよいです。
TOEICに頻出の文法問題は、先に少し紹介した「公式TOEIC Listening & Reading 問題集」を使ってひたすら実戦形式で練習していきましょう。実際のテストで出題される形式で練習していくことで、効率よく、そして実戦的にPart5、6のスコアを上げることができます。筆者が実際に行っていたのは、
一度、Part5もしくはPart6の問題を10分間で解いてみる。
答え合わせをし、間違えた文法やわからなかった単語を書き出して理解する。
3日~1週間程度たってから、もう一度①で解いたパートを解きなおしてみる。
というサイクルです。一度解いてからすぐに復習するのではなく、ある程度寝かせてからもう一度解くことで、自身にとって定着していない単語や文法が明らかになります。1.で解いたパートを全問正解できるようになるまでこのサイクルを繰り返すことで、地道ですがTOEICに頻出な文法や単語をしっかりと身に付けることができます。
3.リスニングの部
リスニング力を向上させるために、筆者は実際の音源を流しながら同時に原稿(スクリプト)を読む「オーバーラッピング」という練習をしていました。本来は「シャドーイング」と呼ばれる、英語の音声を耳で聞きながら同時に聞き取った内容を発音していく練習方法が定番です。しかし、リスニングを苦手とする人がいきなりシャドーイングに取り組むのは、どれだけ音声の再生速度がゆっくりでも難しいと思います。
そこで「オーバーラッピング」を試したところ、リスニングのスコアが8か月で100点以上伸びました。リスニングのスコアを上げるには「なんとなく簡単な英語なら聞き取れる」状態からしっかりと「発音されている単語や会話の流れを理解できる」状態までリスニング力を伸ばす必要があります。
使用する原稿はTOEICのものでなくても問題ありません。筆者は高専の英語の授業で使用していた「Deep Listening」という教材を使用していました。はじめは学校の教材レベルの比較的聞き取りやすい・発音しやすいもので練習して、慣れてきたらTOEICの原稿で練習すれば十分です。
<参考URL>Deep Listening|学校教材|通信講座|公益財団法人 日本英語検定協会
https://www.eiken.or.jp/learning/school/educational/
まとめ
本記事では「高専生でも」「効率よく」TOEICスコアを伸ばすための勉強方法を解説しました。最後に、本記事で解説したTOEICスコアアップのための重要なポイントをまとめます。
まずは現状把握を
いきなり勉強を始めるのではなく、「公式問題集」を本番同様の条件で解き、現在の自分の実力(スコア)を把握しましょう。
明確な計画と環境づくり
「何点必要か」「なぜ必要か」「いつまでに取るか」を明確に設定してください。先に受験を申し込んでしまい、自分をやらざるを得ない状況に追い込むのも有効です。
単語は「スペル・意味・音声」をセットで
TOEIC特有のビジネス語彙を増やすことがスコアアップの近道です。スキマ時間を活用し、アプリ(「モチタン」など)を使って効率よくインプットしましょう。
文法は公式問題集を繰り返す
高校レベルの基礎があれば十分です。公式問題集(Part5・6)を使い、「解く→復習する→数日空けてもう一度解く」のサイクルを全問正解できるまで繰り返すのが最も実戦的です。
リスニングは「オーバーラッピング」
いきなり難しいシャドーイングに挑むのではなく、実際の音源を流しながら同時に原稿を読む「オーバーラッピング」がおすすめです。英語のリズムと発音に、耳と口を慣らしていきましょう。
この記事が、スコアアップを目指す皆さんの参考になれば幸いです!
