高専とかいう刑期5年の監獄にブチ込まれている皆さん、はじめまして。学生サポーターの林檎アップルというものです。
この監獄には、成績などの条件を満たした模範囚は、更に刑期を2年延長できる「専攻科」という課程がありますね。すでに毎週の刑務作業(レポート)に辟易している皆さんからしたら、何故わざわざ自ら刑期を2年も伸ばすのだろうかと思われるかもしれませんが、そのような少し変わった方々が世の中には一定数存在します。そうですね。私です。
皆さんの中には、専攻科への進学を視野に入れている方もいらっしゃるでしょう。この記事では、私から見た専攻科のメリットとデメリットを私見モリモリでお話しさせていただきますので、進路を考える上での参考にしていただければと思います。まずはメリットからどうぞ。
メリット1:社会人猶予期間が2年延びる
「はいはい、モラトリアムモラトリアム。そういうことばっかり言っているから、日本がダメになるんだよ!!」と思ったでしょうか。まあ、聞いてください。
そもそも良い企業に就職するためには、業界研究・企業分析・筆記対策・面接対策は必須ですが、どれも一朝一夕で終えられるようなものではありません。また、良い企業は人が集まるため、3月には募集を締め切っている企業も珍しくないでしょう。しかしながら私の経験上、高専は3年生~4年生が最も忙しいです。専門分野の勉強が難しくなる時期ですし、課外活動等の所謂「ガクチカ」というものも、この時期に取り組むことが多いでしょう。

専門分野の課題や試験をこなし、課外活動にも力を入れつつ、空いた時間で上記の準備を行って内定を獲得するのは至難の業です。このため、世の大学生は低学年のうちになるべく多くの講義に出席することで、就活に集中できるような履修計画を立てています。ですが、高専生は月曜日から金曜日まで必修の授業で埋め尽くされており、本科のうちは学年を跨いで履修することも不可能なので、必然的に就活に集中する時間を取るのが難しいです。
そこで、専攻科に進学することで2年間の猶予が与えられ、時間割も自分でコントロールできるようになるため就活に集中しやすくなるのです。断じて!「やったー。あと2年間自由に遊べるぞー。うわーい。」などと考えて進学したわけでありません!断じて!!!
メリット2:学士の学位が取れる
まあ、一般的にはこれが一番大きな理由とされることが多いでしょう。高専の本科卒は「準学士」という称号(正式な学位にしようという動きもあります)が与えられますが、所定の手続きを経て専攻科を卒業すれば、「学士」の学位が得られます。
企業によっては、学士卒以上しか新卒を募集していないこともありますし、若いうちに転職する場合においても、学位が関係ないとは言えないでしょう。応募できる企業の幅が広がることは大きなメリットと言えます。また、大学に行くよりも学費が約100万円安いことも魅力です。
メリット3:研究が続けられる、幅が広がる
環境が変わらないため、本科の頃の研究を専攻科でも継続できます。また、高専の本科では、主に5年生に卒業研究というものがあると思いますが、専攻科では、1年生の頃から研究をする時間が確保されています。専攻科に進学すると、本科と合わせて3年間の研究期間が確保できるため、より長期的な視点で研究テーマを設定することができます。
このため、自身のやりたい研究に腰を据えて取り組むことができますし、時間がかかる研究にも着手できます。そのような研究テーマを考えている場合は、専攻科への進学を考えても良いでしょう。
メリット3.5:志望企業の高専への理解度を知ることができる
これに関しては書くかどうか迷いましたが、メリット3.5として参考程度に聞いて頂ければと思います。
昨今は高専の知名度も向上し、企業も高専枠を設ける等、高専に理解のある企業が増えてきました。しかし、専攻科で会社説明会などに出席すると、「専攻科?なんだ...?それは...?」というような反応をされることがあります。無論、専攻科を知らないからと言って高専生の就職先としておすすめできないというわけではありませんが、企業の理解度を測る一つの指標として有益ではないかと思います。

デメリット1:高専枠から外れることも
メリット3.5でも述べましたが、企業によっては、高専枠という特別な枠で高専生を採用していることがあります。しかし、専攻科卒の学生は高専枠の対象にならないことがあります。そのような企業を志望する場合、一般枠で大卒の学生と同じルートの選考を受ける必要があるため、必然的に選考の難易度が跳ね上がることになります。
デメリット2:社会に出るのが遅れる
2年間の猶予が与えられるという事は、裏を返せば、本科卒の学生と比べて社会に出るのが2年遅れるという事でもあります。初任給は専攻科卒と本科卒で異なりますが、専攻科卒の学生が初任給をもらう頃には、本科卒は3年目に突入しているため給与は本科卒の学生の方が良い、なんてことも考えられるでしょう。早く社会人経験を積みたい場合も注意が必要です。
デメリット3:びっくりするほど環境が変わらない
専攻科に上がっても、本当に驚くレベルで環境が変わりません。外部から専攻科に進学してくる学生も基本的に1人もいません。そのため、高専という環境が合わない場合や、何か新しい刺激を求めている場合には、おすすめできないでしょう。

以上を踏まえて、どうするべきか
ここまで専攻科のメリットとデメリットについて話してきました。ではこれらを踏まえてどうするべきか。ぶっちゃけ、どっちでも良いです。人によって何がしたいか、どうありたいかは違うでしょう。正解など無いのですから、あとは各々の選択があるのみです。
この手の話題ではよく「後悔のない人生を!」などという言葉を耳にすることがあるかと思いますが、人生が選択の連続である以上、そんなことは不可能です。何かを選択するという事は、同時に何かを選択しないという事で、生きていれば選んでこなかったものを惜しく思うことなどいくらでもあるでしょう。
であれば、選択をするという事は後悔することを覚悟するという事で、後悔のない人生とは何も選択をしない人生です。進路もキャリアも同様でしょう。重要なのは、自分で考えて選択をすることと、もし後悔をしたとしても「世の中そんなもんだよな~」と開き直ることだと私は思います。
以上、さほど人生を長く生きているわけではないですが、この記事が皆さんの進路選択の一助となれたなら、身に余る光栄です。それではまた次の記事でお会いしましょう!

