勉強は、「自分一人」でやるしかない
結論から言えば、勉強という行為はどこまでいっても「自分一人でやる」以外に道はありません。どれだけ優れた勉強法を教わっても、最後に手を動かし、頭を使うのは自分自身だからです。
おそらく、これを読んでいるあなたも、そのこと自体は心のどこかで理解しているはずです。だからこそ、ここではテクニックよりも、私が勉強に向き合うときの“心の持ち方” について書いてみたいと思います。
よく、「高等教育を受けられるのは恵まれていることだ」と言われます。もし本気でそう思えるなら、勉強そのものが幸福であり、モチベーションに困ることはないでしょう。
でも、現実はそう簡単ではありません。
恵まれた環境に生まれ、高等教育を受けられる立場にあっても、その事実に毎日深い感謝を抱いている人は多くありません。私たちは、そういう人間です。
だからこそ、「恵まれているから勉強しなさい」という道徳的な動機だけでは、勉強を続けるエネルギーにはなりにくい。私はそう考えています。
私を支えたのは“ノーブレス・オブリージュ”だった
そんな私にとって、勉強の原動力になったのがノーブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)という考え方でした。
歴史上の貴族が国家や民のために戦場へ赴いたように、「自分もまた、与えられた環境に対して責任を果たすべき存在なのだ」——そう考えるようになったのです。
私はこの考え方を、そのまま勉強に当てはめました。
勉強することは、自分に課した義務である。
そう捉えることで、勉強は“やらされるもの”ではなく、“引き受けるもの”に変わりました。
勉強は「誰かに教えるための義務行為」でもある
さらに私は、勉強を「自分のため」だけでなく、“誰かに教えるための義務行為”として捉えるようにしました。
ここには多少のエゴイズムがあることは否定しません。でも、このエゴイズムは私にとってプラスに働きました。
教える相手は誰でも構いません。私は、自分が好意を持っている異性を想定しました。どうでもいい相手に教えるときよりも、「できるだけ正確に、わかりやすく伝えたい」——そう思えるからです。
私が実践している勉強法:すべての範囲で“模範解答”をつくる
では、具体的にどう勉強するのか。
私が実践しているのは、 授業範囲のすべてについて、自分なりの“模範解答”をつくること。
その場しのぎで説明すると、誤った理解のまま覚えてしまう可能性があります。だからこそ、一度紙の上で「自分の理解の完成形」をつくることが重要です。
<知識問題の例(GFP)>
問:GFPを発見したのは誰か
A:下村脩
ここで終わっても試験対策としては十分ですが、私は関連情報を付け足します。
どのように発見したか → オワンクラゲから
GFP の特徴 → 励起・緩和で発光、基質不要
現在の用途 → 遺伝子発現の追跡に広く利用
こうして「周辺知識」をセットで覚えることで、単なる暗記ではなく理解が深まります。
<計算問題の例(理想気体)>
問:分子量が32である理想気体Aが 64 kgある。標準状態(P=1.013×105Pa、T=273K)でのAの体積V(L)を求めよ。ただし、気体定数Rは8.3×103(Pa・L/K・mol)とする。[明太2]
A:①理想気体として扱えるかの判断→②状態方程式→③モル計算[明太3] →④体積計算によって算出。
①理想気体として扱える。
②理想気体なので状態方程式「PV=nRT」が成り立ち、さらに標準状態なので、V(L)=n(mol)・22.4(L/mol)が成立する。
③Aの分子量は32なので、32g/mol。Aは64kgあるので、64000(g)/32(g/mol)=2000molとなる。
④nが2000と判明したので、Vは2000(mol)・22.4(L/mol)=44800Lとなる。[明太4]
本来は式の導出まで一度たどるのが理想です。そうすることで応用問題にも強くなります。
派手なテクニックはいらない。必要なのは“引き受ける覚悟”
私が勧める勉強法は、決して派手ではありません。
「誰かに教えるための模範解答を、自分でつくる」
ただそれだけです。
しかし、その裏には「自分は勉強する義務を引き受ける」という内側からの決意があります。ノーブレス・オブリージュという言葉を、少し都合よく解釈しながら、自分を誰かのために使う。それが、私にとっての勉強の原動力になっています。




